車にドラレコがついていなかった場合や、ドラレコがついていたものの映像が残っていなかった場合は、事故状況について確認ができないのでしょうか?
この記事では、
「映像が消えていた、どうしよう」
「ドラレコがなければ相手の言い分が通ってしまうの?」
「映像がなくてどうやって事故状況を証明するの?」
といったよくある不安の声について、実際に事故対応をしてきた経験をもとにドラレコがない場合の事故状況の確認方法についてお伝えします。
ドラレコがなくても事故状況は確認できる?
結論からお伝えすると、ドラレコがなかった場合も、他の様々な情報をもとに事故状況を確認することが可能です。
ドラレコは重要な判断材料の一つですが、ドラレコだけで事故状況を判断するわけではありません。
事故状況を確認するために使われるもの
では具体的に、どのようなことを確認しながら、事故状況を把握していくのかをお伝えします。
双方の説明
単独事故ではなく、相手のある事故の場合は、まず双方の説明を聞きます。
どういう状況で事故にあったのか、どういう運転をしているところだったのか、お互いに相手がどう見えていたか、それぞれに話を聞きます。
一般的には、お互いに自身の保険会社の担当者へ事故状況を説明し、保険会社同士で状況をすり合わせることが多いです。
そこで、お互いに認識が一致しているところや相違している点を整理し、双方の主張を伝え合います。
車の傷や損傷箇所
お互いの車の損傷箇所や、傷の状態を確認します。それにより、車同士のどことどこが接触したのかが確認でき、接触の仕方も推測できる場合があります。
道路形状、信号、標識
事故にあった場所の道の構造を確認します。直線道路なのか、交差点なのか、どちらか一方が優先道路なのか、信号は設置されているか、一時停止などの標識はあるのかを確認していきます。
事故現場の写真
事故場所の写真があると、事故場所が確認できるため、道幅や道路状況がわかったり、障害物や、見通しの良し悪しなどが見えてきます。縁石やポール、ガードレールなどに接触した場合はそれ自体の損傷の有無や、車の損害と照らし合わせることもできます。
言葉だけでははっきりわからなかったことも、事故場所の写真が1枚あるだけで、わかる情報はたくさんあります。
警察に届けた内容
事故現場で警察を呼んでいれば、後日、交通事故証明書によって、事故の日時や場所、当事者などの基本情報を確認できます。
ただし、交通事故証明書だけで、事故に至るまでの細かな動きや過失割合まで分かるわけではありません。
警察が、保険会社に事故状況を詳しく説明してくれるわけではありません。自分が警察へどのような状況を伝えたのかも含めて、保険会社の担当者へ説明しましょう。
目撃者
事故が起こる瞬間を目撃した第三者がいた場合は、その人の話も参考にすることができます。通行人や周囲の車でドラレコを提供してくれる方など、稀ではありますが協力を申し出てくれる人がいた場合は話を聞いてみましょう。
防犯カメラ
事故現場の近くに防犯カメラが設置されていれば、その映像から事故状況を確認できる場合があります。
コンビニや店舗の出入り口などに、カメラが設置されていないか確認してみましょう。
ただし、防犯上の理由や個人情報保護の観点から、本人がお願いしても、その場では映像を見せてもらえないことがあります。
それでも、映像が残っている可能性があれば、早めに店舗や保険会社へ相談してみる価値はあります。
修理工場が撮影した写真
修理工場は、保険会社へ写真を送ることに慣れています。
傷の写真や、外から見てわからない中の損害など、修理工場でくわしい写真を撮る場合が多いです。
その写真をもとに、衝撃の大きさであったり、損害の程度や傷の状態を確認することができます。
ドラレコがないと、確認しきれないこともある
ここまで、ドラレコ以外にも事故状況を確認する材料があることをお伝えしました。
ただし、ドラレコがなくても、すべてのことが明らかになるわけではありません。
例えば、相手の正確な速度や、接触直前に道路のどの位置を走っていたのか、ウインカーをいつ出したのかといった細かな動きは、車の損傷や事故現場の写真だけでは確認しきれないことがあります。
傷の位置やつき方から接触の仕方を推測できても、
「時速何キロだった」
「確実にセンターラインを越えていた」
とまで断定できるとは限りません。
一方で、ドラレコも万能ではありません。カメラに映っていない範囲や、雨や逆光で見えにくくなった部分までは確認できないことがあります。
そのため保険会社では、映像の有無にかかわらず、双方の説明や車の損傷、道路状況、事故現場の写真などを照らし合わせながら、事故状況を整理していきます。
客観的な資料が少なく、双方の説明も食い違う場合には、事故状況を決めきれず、話し合いに時間がかかることもあります。
では、相手と話が食い違った場合、保険会社はどのように事故状況を整理していくのでしょうか。
相手と話が食い違ったらどうなる?
お互いが違う説明をすると、「どちらかが嘘をついている」と思ってしまうかもしれません。でも実際には、同じ事故でも見え方や感じ方が異なることは珍しくありません。
実際に、双方の説明だけでは判断できず、道路の形や車の損傷を照らし合わせることで、事故状況が整理できたケースもあります。
一時停止をしたかどうかだけでは分からなかった実例をご紹介します。
実例:「一時停止した」のに、説明が食い違ったケース(タップして実例を見る)
見通しのよくない、信号のない交差点での出会い頭事故です。
Aさんの車の左側面に、Bさんの車の前部が接触しました。
Aさんは、
速度を落として交差点を進んでいたところ、左からBさんが急に出てきた。Bさんは一時停止をせず、速度も出ていた
と説明しました。
一方のBさんは、
一時停止標識で止まってから交差点へ進んだ。Aさんの速度が速かったため避けきれなかった
と説明しました。
そこで事故現場を確認すると、Bさん側の一時停止標識は、交差点から少し離れた位置にありました。
そのため、Bさんが標識の位置で一度停止していたとしても、交差点へ入るときにどのような速度や動きだったのかは、別に確認する必要がありました。
また、Aさんの車には、側面を横から強く押されたような損傷が見られました。
双方の言い分だけではなかなか解決の糸口が見いだせない状況でしたが、こうした道路形状や車の損傷もあわせて確認していくことで、責任割合の話し合いへ進むことができました。
今回のケースでは、AさんとBさんのどちらかが、意図的に嘘をついていたとは限りません。
「一時停止した」というBさんの記憶と、「勢いよく出てきた」というAさんの見え方が、部分的にはどちらも成り立つこともあります。
このように、どちらかの説明だけで決めるのではなく、ほかの情報を重ねながら事故状況を整理し、解決の糸口を探っていくのです。
ドラレコがなくてもできること
・写真を撮影、保存する
・事故時の記憶を早めにメモする
・警察へ自分の言葉できちんと状況を伝える
・保険会社の担当者へ、事故状況を言葉や写真で伝える
・周辺の防犯カメラなどに心当たりがあれば早めに相談する
事故直後に何をすればよいか迷っている方は、事故にあったら最初にやることも確認してみてください。
ドラレコがなかったことを責めなくていい
ドラレコがないと何も分からないわけではなく、ドラレコがあるから全部が分かるわけでもありません。
確かに、映像がなければ確認しきれない細かな動きもあります。
だからといって、ドラレコがなかったことを今になって責めても、事故当時には戻れません。まずは手元にある写真や記憶、警察への届出内容などを保険会社へ伝えてください。確認できる材料を一つずつ集めながら、事故状況を整理して前へ進んでいきましょう。
