100:0の事故で自分の保険会社へ連絡したところ、「今回は相手との交渉はできません」と言われ、戸惑った方もいるのではないでしょうか。
「保険料を払っているのに、なぜ何もしてくれないの?」と思ってしまうかもしれません。
しかし、保険会社は、対応をしたくないという理由で断っているわけではありません。
この記事では、100:0事故で自分の保険会社が窓口になれない理由と、相手とのやり取りに困ったときの対応についてわかりやすく解説します。
そもそも100:0とは何かを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
100:0事故で保険会社が窓口になれないのはなぜ?
結論からお伝えすると、
100:0の事故であなたには責任がない場合、「自分の賠償保険を使わないため、示談交渉サービスを使えないから」ということになります。
示談交渉サービスは「相手へ賠償するとき」のサービス
保険会社が行う示談交渉サービスは、対人・対物賠償保険に付いているものです。
対人・対物賠償保険というものは、自分が事故の相手に損害を与え、損害賠償責任を負ったときに使う、「相手へ支払う保険」です。
示談交渉サービスというのは、相手へ支払う(賠償する)ときのサービスなので、あなたに責任がない事故の場合には使えない、というのが、窓口になれない理由です。
つまり保険会社が示談交渉を行うのは、契約者に賠償責任があり、保険会社自身が保険金を支払う立場になる場合です。
一方、100:0で自分に賠償責任がない場合は、自分の保険会社が相手へ保険金を支払う立場にはなりません。そのため、あなたに代わって相手へ損害賠償を請求する交渉を行うことはできません。
保険会社が自由に他人の交渉を代行できるわけではなく、交渉できる範囲には法律上の制限があります。
自分に責任がない場合には保険に入っている意味がない?
窓口になれないからといって、保険に入っている意味がないわけではありません。
自分の保険会社が窓口になれない=何もしてくれない、というわけではありません。
相手との交渉はできなくても、自分の保険会社は事故対応について相談できる窓口です。
まずは事故状況を一緒に整理し、今後どのように対応していけばよいか相談してみましょう。
車両保険を付けている場合は、自分の車の修理や保険を使うかどうかについて相談できることもあります。
相手から提案を受けて分からない点があれば、すぐに合意せず、自分の保険会社に今後の対応や確認すべき点を相談してみましょう。
契約内容によって、弁護士費用特約の相談も可能です。
では、誰が相手とやり取りをするの?
あなたに責任がない事故の場合は、原則として、あなた自身で相手とやり取りをするか、弁護士へ依頼することになります。
相手とのやり取りに困ったときはどうする?
次の4点を意識して、対応を進めましょう。
- 相手が何を争っているのか確認してメモする
- メモをもとに自分の保険会社へ相談する
- 分からないまま示談に同意しない
- 自分での対応が難しければ弁護士費用特約を確認する
相手と交渉をするなかで、わからない点がある場合は、わからないままその場で合意をせず、
「一旦検討して、改めて連絡します」と持ち帰り、納得してから返答するようにしましょう。
弁護士費用特約に関しては、契約によっては、記名被保険者の家族も補償対象となる場合があります。自分の契約だけでなく、家族の自動車保険や、特約が付帯されている契約がないかも確認してみましょう。
元事故担当者として伝えたいこと
私が自動車事故の対応をしていた時には、無過失を主張される事故は、決して珍しいものではありませんでした。
無過失を主張されるお客さまへ「今回は保険会社が交渉の窓口にはなれません」と説明すると、多くの方が驚かれました。
「それなら、何のために保険に入っているの?」と言われることもありました。
私も、できることなら間に入って力になりたい気持ちはありましたが、保険会社が交渉できる範囲には制限があるため、心苦しいながらお断りしていました。
ひとつ言えるのは、保険会社の人間が冷たいから断っているわけでも、やりたくないから断っているわけでもない、ということです。
少なくとも私の周りでは、「なんとか力になりたい」と考えている担当者が多くいました。
保険会社にもできること、できないことがありますが、その中でできる限りの相談には乗ることができます。ぜひ、あなたの心配なこと、不安なこと、疑問点は、あなたの保険会社の担当者へ伝えて、十分に話し合ってください。
納得のいく解決をむかえられるように、応援しています。
まとめ|100:0でも、まず自分の保険会社へ相談を
今回の記事では、保険会社が窓口になれない理由について解説しました。
保険会社が窓口になれないのは、対応したくないからではありません。
示談交渉サービスには、保険会社が対応できる範囲が決められているためです。
自分に責任がある場合
自分の保険会社は相手に支払う立場→示談交渉できる
自分に責任がない場合(100:0)
自分の保険会社は相手に支払う立場ではない→示談交渉できない
このように、示談交渉ができるかどうかは、自分の保険会社が相手に保険金を支払う立場にあるかどうかで変わります。
ただし、示談交渉ができなくても、事故について相談できることはあります。まずは自分の保険会社へ連絡し、利用できる補償や弁護士費用特約などを確認してみましょう。
